FX利益に関する「お尋ね文書」への対処

2012.12.11

近頃「FX」「お尋ね」2つのキーワードで当サイトへのアクセスが増えています。

この背景には、平成21年分よりFX業者は投資家毎の損益を税務署に報告するよう義務付けられ、平成24年から総合課税と申告分離課税の2つの課税方法から申告分離課税1つに課税方法が統一されたことにあります。

その結果、平成21〜23の3年間という絶妙な区切りが生じたのです。通常税務調査は3年分です。これら3年間について「お尋ね文書」が税務署から届いているのです。

これら3年間のFXによる利益(所得)は、税務署に完全に捕捉されています。対処が遅くなるほど延滞税が深刻になります。

掲題の「お尋ね文書」が送付された場合には、素直に税務署に連絡を取らないでください

連絡を取らずに自身ですみやかに申告書を提出できるのが望ましいですが、申告書作成が難しい場合、または本当に申告書の提出が必要であるか判断が難しい場合には、専門家に相談することをお勧めします。

なぜならば、税務職員は「お尋ね文書」を発送したものについては、税務調査に切り替えたいという本音がありますし、実際税務調査に発展した事例を耳にしています。

出来る限り余分な不利益(税務調査、加算税)を被るのは避けるようにしたいものです。

成年後見人である青色事業専従者の注意点

2012.11.9

成年後見制度は制度導入から10年超を経過しました。成年後見制度の申立は増える一方で、家族以外の第三者後見人となりうる専門家のなり手も不足しています。

そんななか成年後見人が引き起こすトラブルも増えており、家庭裁判所でも問題となった実例を蓄積しています。特に親族間で後見人に就任することは、後々問題となるケースが多いようです。

例えば、成年後見人が被後見人の青色事業専従者になっている場合、被後見人の事業から青色事業専従者として給与を受けていますので、その後見人となった以後青色専従者給与の金額をUPさせてしまうと、被後見人の財産を侵害してしまうことになり、利益相反になってしまいます

このような利益相反は、最終的には家庭裁判所から財産回復を命じられることになるでしょう。

ちなみに、裁判所は積極的に被後見人の節税をプランニングするような後見人は嫌うようです。

つまり、税理士である法定後見人ですw 裁判所が嫌うだけで、その被後見人の親族の方にとっては、有益であることは間違いないと思いますけど。

任意組合の組合員の所得計算の改正

2012.9.20

平成24年8月30日に国税庁は、任意組合等の組合員の所得の計算方法を明示する所得税基本通達36・37供−20を改正しました。今回の改正は所得税に係る通達の改正であり、法人税にも法人税基本通達14−1−1という微妙に言い回しの違う通達があります。

改正通達は平成24年8月30日以後締結される組合契約から適用されます。)

改正前の両通達は、組合所得等の計算方法として、原則は@総額法で、継続を条件にA中間法、B純額法を認めるといったものでした。微妙に違う箇所は、法人税の通達では、さらに「・・・課税上弊害がない限り」と加えている点でした。

先日改正された所得税の通達では、「@の方法により計算することが困難と認められる場合」を大前提としてABを認めるとされています。継続を条件にしているのは変わらないのですが、両通達の乖離が拡大したことにより税務当局の事務運営ベクトルが明らかになったと感じました。

はっきり言うと所得税は厳しくなったのです。例外であるABの方法を採用することは継続要件さえ満たせばよく、とりわけBの方法を採用することは、とても簡単なものだったのです。しかし、今回の改正で@の方法による申告を余儀なくされる者が多くなりそうです。@は事務負担が多くなるため個人の納税者には厳しいものになります。

この改正は、ある裁判で税務当局の主張が退けられたことにより、躍起になって改正に動いた節があります。この裁判自体はとてもレアなケースを争ったものでしたので、改正したところで所得税の徴税という点では有効な効果があるように思えませんが・・・。法人と比べ記帳技術に劣るであろう個人に多大な事務負担を与えるというのは行政の在り方として疑問を感じます。「どうしても組合を利用したければ法人を設立して、そちらでどうぞ」という煽動のようにも思えるのですが・・・。なぜならば、税務調査となる個人の割合は少ないですから、法人の方が調査対象に挙がり易いからです。

「トッカン」をみて

2012.7.26

税務署の年度というのは7月から6月を1つを年度としており、7月に人事異動があります。本年7月から始まった井上真央さんが主演を務める「トッカン」というドラマも、彼女の上官である「トッカン」こと「特官」ポストをあてられたエリートが新任でやってきて、井上さんが演じる主人公は「特官付」という人事をあてられてストーリーが始まっています。

まあ、この「特官」というのは大変おいしいポストで、雑務は「特官付」が行うので、特官本人が税務調査をする以外は暇なようです。

その第1話で主人公が納税者から食事を振る舞われていますが、現実的にはこのようなことはありえず、きっぱり断るはずです。また、第4話では、銀座の席料を特官が支払っていますが、現実的に公務員が自腹をきるとは思えません。これも税務調査の一環として経費として精算されるはずです。なかには度が過ぎると思える飲食費用もあるわけで、税金の使途に厳しい目が向けられている今、疑問を呈するインターネット上の投稿が多くてもおかしくないはずだと思ったのですが、そうでもないようですね・・・。

キャピタルフライトは一網打尽にされる?

2012.5.10

富裕層が資産を海外に移しつつあります。このような動きを日本の金融庁と国税庁が手をこまねいて見ているわけがありません。その対策の一環として国外財産調書制度が創設されます。

この制度の概要は、12月31日の現況において、国外財産の合計額が5,000万円を超える国外財産を保有する個人(居住者)は、翌年3月15日までに「国外財産調書」を税務署に提出しなければならないというものです。

この制度は、平成25年12月31日の国外財産の現況から適用される予定です。ここでの5,000万円という基準は、時価評価による金額です。為替相場の変動によっては、提出義務が有ったり無かったりする微妙な資産状況の者もいるのではないでしょうか。

時価を把握するのは困難だから、どうすればよいか分からず提出しない者も現れるでしょうが、調査の結果、故意か故意でないかに関係なく提出しなかった者には、加罰措置があります。具体的には、国外財産調書の提出がない場合には、その記載すべき国外財産から生ずる所得につき課される過小申告加算税が5%増しとなります。

この制度のキャピタルフライトの抑制効果は微々たるものだと思いますが、徴税をする上で様々な準備を整え今はまだ泳がしてやっているというのが国税庁のスタンスです。キャピタルフライトを煽るマスメディア・書物は、裏では国税庁と通じているかもしれません。マスメディアは情報統制されていますしw 

昨年8月には香港、同9月にはオフショアで有名なマン島においても、日本政府に情報提供させる協定が締結されています。徴税のための包囲網は敷かれつつあります。ですが、他国から舐められっぱなしの日本政府の要請を他国はどれだけ応えてくれるのでしょうか?

 

なくなる白色申告のメリット

2012.4.9

確定申告シーズンになると税理士は税務署の応援に行きます。そこで多くの納税者の確定申告書を拝見したのですが、なかには全ての勘定科目において1,000円単位で損益計算書を記載しておられる白色申告の自営業者の方がいて、カルチャーショックを受けました。このように白色申告の自営業者は超テキトーな確定申告書を出しておられる方も多いのですが、これからはそうもいかなくなります。

というのも、確定申告をしようとする年分の前々年の所得金額が300万円以下である事業所得者等(ここでは青色申告にしていない人)は、その確定申告をしようとする年分の記帳義務および記録保存義務がなかったのですが、平成26年以降は記帳義務および記録保存義務が課されることになりました。

(現行の法規では、所得金額が300万円超の事業者所得者(不動産所得者、山林所得者)は、白色申告であっても記帳義務および記帳保存義務があります。)

つまり、平成26年分以後の確定申告から青白関係なく、すべての事業所得者等に記帳義務および記録保存義務が課されることになったのです。

これによりどんぶり勘定でよいという白色申告のメリットは消えることになります。

公的年金等に関する確定申告についての勘違い

2012.2.20

先日、ある税理士の方から税務署が確定申告書の受取を拒否したと聞きました。どういうことかといいますと、平成23年分の確定申告からその年中の公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告書の提出は不要という制度ができ、この制度が頭にあってその税務署の職員は確定申告書を受け取らなかったということの様です。

しかし、この制度は納税者が申告不要を選択できる制度です。法律上は確定申告義務がある納税者でも、一定の要件に当てはまる納税者は、確定申告書を提出しなくてもよいという条文の構成になっています。税務署の職員がそもそも確定申告義務がある納税者の確定申告書の受取を拒否できるわけではありません。この税務署の職員の勘違いは酷いものです。

ここで、注意していただきたいのですが、上記の年金所得者については、所得税の確定申告書の提出は不要であっても、住民税の申告は必要です。つまり、税務署か市町村役場のどちらかには提出しなければなりません。ですから、確定申告という面倒な手続きから解放されたわけではないのです。

この申告不要を選択した場合、税務署側は国税について取りっぱぐれがないことはわかっており、税務署の職員の事務負担の軽減につながります。これがこの制度を導入した表向きの理由です。その反面、市町村の職員に事務負担を押し付けています。そして、裏では別の効果を期待しているのです。

この申告不要という制度は、多くの高齢者を「申告しなくてもよい♪」と勘違いさせるでしょう。医療費や後期高齢者医療保険料を考慮した医療費控除、社会保険料控除による国税の額の減少機会を、高齢者自らの勘違いにより失いかねません。国側はこの制度による勘違いの誘発を期待しているのです。ホント姑息もいいところです。

この申告不要を選択した場合には、寡婦控除による国税の減少機会も失います。この点だけは、平成25年分以降から改められます。)

ちなみに「公的年金等の源泉徴収票」には、年末調整が行われた結果の源泉徴収税額が記載されているわけではありません。税理士でも年末調整されていると勘違いしている人がいますw 年末調整は、一定の給与所得者だけに適用される制度です。

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