税の側面からみる成年後見制度を利用する前に検討すべき事

2013.10.11

成年後見制度は、被後見人の保護を目的とする制度です。保護を目的とするため、いたずらに被後見人の財産を支出することは許されません。そうしますと、その被後見人の意思の実現も難しくなってしまいます。

被後見人に少なくない財産が存在しますと、その財産の管理、処分の実行の方法も限定的なものになってしまうのです。

とりわけ成年後見制度は、以下の場面ではデメリットとなります。被後見人の親族の生活に影響を及ぼすものが多いのです。

 

@事業者が被後見人である場合の青色専従者給与の増額改訂

A相続時精算課税贈与の利用

B教育資金の一括贈与制度の利用

 

まず、@は以前に触れたとおりです。青色専従者給与の増額改訂は、被後見人の財産を侵害するものと監督者である家庭裁判所に捉えられます。成年後見制度を利用する前に事業の法人化を考える必要があります。

AおよびBは必ず成年後見制度を利用する前に実行する必要があります。

公的機関のサポートに、このような問題の予見を期待するのは酷というものです。

すると、相談する順番も重要だということにお気づきになるかと思います。

特にABの利用に際しては、それなりの要件があり、使える局面も狭くなっていますので、別の方策を事前に講じておくことが望ましいのです。その別の方策は、ズバリ「信託」です。

成年後見人制度を利用する前に、被後見人予定者の財産の一部を信託することによって、成年後見人の財産管理責任が及ばないようにするのです。

なお、ここでいう信託は、Bを利用する際の信託銀行の信託とは別のものを指していますのでご注意ください。

予定納税額の減額承認申請する?しない?のメリット

2013.6.14

本日平成25年6月14日は、平成25年分所得税の予定納税額の通知書の発送が予定されています。

予定納税とは、個人事業者のその年分の所得税を前払いである程度支払うことです。

通常予定納税は7月と11月の2回に分けて支払い、翌年に計算確定する所得税額と予定納税額の差額を納めます。

納税者としては、税金を一度に支払うのは大変なことですので、納税の便宜が図られた制度、税を徴収する国側としては、税の徴収もれを未然に防ぐ制度となっています。

 

前年と事情が変わって所得が減少するような場合には、予定納税に充てる資金の工面が難しいことも考えられます。

このような場合には、予定納税額の減額を認める制度があります。この手続を「予定納税額の減額承認申請」といいます。

7月減額承認申請は例年7月15日(2013年は16日)が申請期限となっています(11月減額承認申請は例年11月15日が申請期限)。

予定納税額の減額承認申請が認められるためには、一定の要件をクリアしなければなりません。

その要件の詳細は割愛しますが、法律により確実に認められる絶対的基準と税務署長の裁量による任意的基準があります。

以下の場合には、減額承認申請を是非一度検討してみるとよいと思います。

 

@個人事業を法人成した場合

A多額の医療費を支出した場合

B収益不動産を売却した場合

C婚姻により配偶者控除を受けることが濃厚な場合

 

@Aは絶対的基準に該当します。

Bは本年分の見積所得を計算してみて絶対的基準に該当するか否かを判定します。

Cは任意的基準です。

 

しかしながら、あえて減額承認申請を行わないという考え方もあります。

資金繰りに少し苦しくても、あえて予定納税を行い、結果的にその年分の確定所得税額が予定納税額を下回る場合には、税ではなく資金を預けたという意味で、いわゆる利息に類似する還付加算金(雑所得に該当)の受取が期待できるからです。

 

ところが、金融機関からの融資という側面から考えてみますと、予定納税額の減額承認申請は、より慎重に検討する必要があるのです。

金融機関は、資金のあるところに融資をしたがり、資金のないところには融資をしぶるという性格を持っています。

つまり、少し無理して予定納税することにより一時的に資金が減少することは、金融機関の融資審査にはマイナスに作用することになります。

ゆえに、余計な資金流失を防ぐためにも、減額承認申請の利用はより積極的に検討したいところです。

特に7月の予定納税は、当然7月の試算表に影響を及ぼすことになります。

金融機関は中間決算である9月に向けて融資が積極的になりますので、この時期を狙って融資の相談をするのであれば、7月の試算表は、融資審査に影響を与える試算表になります。

 

7月の予定納税額の減額承認申請の重要性に気づいてもらえたでしょうか。

無理して還付加算金を狙うより、融資による資金調達をできるだけ確実にする方が、事業に良い影響を与えるとも考えられます。

予定納税額の減額承認申請を希望される場合には、添付書類の提出、つまり、根拠となる数字を算出、資料化して提出する必要がありますので、はやめのご相談をお願い致します。

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