LLPかんたん解説10問10答

 

LLPとは?

LLPは略称で正式な名称は「Limited Liability Partnership」といいます。日本語訳が「有限責任事業組合」です。株式会社、合同会社と同じく事業の器として利用されます。「有限責任事業組合契約に関する法律」(以下「LLP法」という。)を根拠法として設立が可能です。

組合ですので、組合員によって構成されます。組合員の内部自治の徹底により損益や権限を決定し、組合員の全員が有限責任で、日本国の税法は組合員自身に課税を適用する構成員課税(パス・スルー課税)を採用しています。

LLPの内部自治とは? 

内部自治とは、端的にいうと組織の内部ルールが出資者同士の合意により決定できるということです。通常株式会社には取締役、監査役など会社機関が置かれ経営を監視する役割を果たしています。LLPの場合、会社機関が置かれず、出資者(=構成員)の間で組合組織の内部ルールを定めることができるため、内部自治により機動的な組織運営が可能になっています。

内部自治により事前にLLPの経済活動により生じた損益の分配を決定することになります。この損益分配の割合は出資比率によりません。この点が通常の株式会社の株主平等原則に則った出資比率に応じた利益の分配、配当とは異なるところです。

LLPの構成員課税(パス・スルー課税)とは?

税が課される順序は、先ず法人の段階で課税、次に法人から給与または配当を受ける個人に対して課税であることはイメージし易いと思います。法人という器には法人税、個人には所得税がそれぞれ課されます。LLPはこの順序でいうと法人の位置にあたります。

LLPの場合、LLPという器の段階では法人税を課税せず、LLPの出資者(=構成員)に直接課税する仕組みが採用されています。出資者が法人であれば法人税、個人であれば所得税が適用されます。

この独自の課税の仕組みにより、LLPの事業の利益や損失が直接出資者に帰属することになります。

LLPの出資者、組合員、構成員は同一?

LLPの出資者は自動的に当該LLPの組合員となります。換言するとLLPで事業を行おうとするならば、LLPに出資をしなければなりません。

また、LLPの組合員は、当該LLPの構成員と同義です。つまり、LLPでは出資者=組合員=構成員という図式になります。

LLPの組合員になれる要件は?

個人、法人であればLLPの組合員になることができます。LLPは共同事業を営む組織であるため、文字どおり共同という仕組みを成立させるために最低2の組合員数が必要になります。そのうち、1の組合員については、日本国に居住している個人、または内国法人でなければならないとLLP法上定められています。

LLPの組合員数の上限は?

LLPの組合員数に上限は設けられていません。組合員の全員が事業に従事することが求められるため、おのずと組合員数は限定されると想定され、法規上設けられていないものと考えられます。

経済産業省の調べによると、LLPの多くが2〜5名の組合員数から成るようです。

LLPの出資金に下限はあるのか?

LLPの出資金額に下限はありません。LLPは共同事業要件を充足させるために最低2の組合員数を必要としますので、各組合員は1円からの出資になることを考えると、おのずとLLP全体の出資金は2円以上からとなります。

LLPの立ち上げ費用はどのくらいか?

LLP契約の登記に登録免許税6万円が必要となります。

登記手続を司法書士に依頼した場合には、その報酬手数料が必要になります。また、LLP契約書の作成、締結に関して弁護士、行政書士に依頼した場合には、その報酬手数料が必要になります。

LLPは従業員を雇用できるのか?

LLPでも従業員を雇用することはできます。この場合、LLPの組合員の肩書付名義で雇用契約を締結します。

また、その従業員が労働保険(労災保険、失業保険)、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入することも可能です。

途中でLLPを株式会社に変更できるのか?

LLPは組合であって法人格がないため、法人格のある株式会社、合同会社への直接的な組織変更はできません。

組織変更をお望みの場合には、新たに会社を新設し、LLPの事業をその会社に営業譲渡するといった方策を採ることになります。

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