2011.11.11
金(Gold)に投資する方法の多様化が進み、目的や自身の実効税率を把握して投資することが有利になります。
金(Gold)投資の方法は、大きく分けて、現物取引、投資信託、先物取引の3つです。ただし、これらを売却した場合の所得税住民税をあわせた税率は、それぞれ総合課税15%〜50%(0%の場合有り)、分離課税10%(今のところ)、分離課税20%と異なっています。
例えば、自分の死後相続税が発生するようなら、投資信託のうちETF投資(純金信託など)が有利です。ETFは、相続税を計算するうえの財産評価に際し、相続開始日の終値か、当月の月平均値、前月の月平均値、前々月の月平均値、以上4つの数値のうち一番低い価額で財産評価することができますし、譲渡益が発生した場合も今のところ10%の税金で済みます。
今後の金価格上昇を考えると、政府は、現物の金売却にかかる課税を強化してくる可能性があります。私見ですが、将来、金現物取引については、土地建物の譲渡と同様の課税方法を採用するのではないかと思っています。土地建物の譲渡課税は、譲渡利益発生の場合には分離課税で20%の税金が発生し、原則的に譲渡損失が発生しても他の所得と損益通算できません。
世界的に金売却行動が著しいのは、日本の高齢者だけです。国家戦略としてアメリカ、中国は金(Gold)を集めています。これらの国は、国民に金投資を奨励する制度を整えています。アメリカにおいては、世界経済破綻後の金本位制度の復活もシナリオにあるはずです。ユーロに代表される通貨危機、あわせて当面の通貨危機とは無縁の国(アメリカ、中国、韓国等)も通貨安競争を繰り広げていますので、株式相場、不動産が不調な当面は商品相場に資金が流入します。したがって、金(Gold)価格は上昇する可能性が高いです。無戦略で能天気な日本の政府は、現物の金(Gold)の譲渡所得を増税の絶好のターゲットと捉えているだけでしょう。
ところで、誤解している人が多いのですが、売却額が200万円超の「金地金等の譲渡対価の支払調書」の提出については、金(Gold)だけでなく、銀、プラチナにも適用されますのでアナウンスしておきます。